昨年10月に、台湾の花蓮で開催された国際研究会 「Galaxy Mergers in an Evolving Universe (進化する宇宙における銀河の合体)」において 谷口センター長が研究会のサマリー講演を行いました。 その講演で「全ての活動銀河中心核は銀河合体でのみ形成される」という統一モデルを発表し、 大きな注目を集めました。
活動銀河中心核は銀河の中心に存在する巨大ブラックホール(太陽の百万倍から十億倍もの質量を持つブラックホール) にガスが落ち込むことで重力発電をして膨大な電磁波を放つものです。 今までは、さまざまな要因で巨大ブラックホールにガスが落ち込むのではないかと考えられており、 混沌とした状況でした。しかし、光度の明るいクェーサーと 呼ばれる活動銀河中心核は巨大銀河の合体で形成され、 高度の低いものは衛星銀河の合体で形成されるとすれば、 活動銀河中心核形成の統一モデルが出来上がります。
研究会の集録原稿(英語)はこちらで読むことができます。
また、この内容は日本天文学会春季年会(3月19-22日、龍谷大学 [京都] )でも発表されることになっています。 なお、簡単な解説は「巨大ブラックホールと宇宙」(丸善)の第4章で読むことができます。